シンポジウム: ロボット介護機器開発・導入促進事業
~ 人に役立つロボット開発の課題と解決策
オーガナイザ: |
比留川 博久 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所) | |
大川 弥生 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所) | 概要: |
ロボット介護機器開発・導入促進事業は、真に役立つロボット介護機器の開発をめざしてスタートとした。この3年間の経過もふまえて、真に役立つロボット介護機器開発の課題とそれらに対する解決策等を明らかにする。 |
座長: |
国立大学法人東京大学大学院 鎌田 実 | |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 大川 弥生 | ||
プログラム: |
15:00~15:15 | ロボット介護機器開発・導入促進事業に求めるもの |
経済産業省 清信 一芳 |
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日本は産業分野でロボットの活用が世界一進んでいると同時に、生産年齢人口減少対策等でロボットの普及が期待される課題先進国でもあることを背景に、政府は平成27年2月「ロボット新戦略」を取りまとめた。本稿では「介護・医療」分野でのロボット介護について政策的背景を概説する。 | ||
15:15~15:30 | ロボット介護機器開発・導入促進事業の概要 | |
国立研究開発法人日本医療研究開発機講 三代川 洋一郎 |
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日本医療研究開発機構(AMED)は、医療分野の研究開発を推進する機関である。3つのLIFE(生命、生活、人生)をポリシーとして、生命に関わる医療だけでなく、高齢者の生活や人生の質を向上するためのロボット介護機器の開発も推進している。今回は、AMEDが実施するロボット介護機器開発・導入促進事業の概要や成果等を紹介する。 | ||
15:30~16:00 | ロボット介護機器開発〜機械から見た開発の課題と解決策 | |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 比留川 博久 |
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METI/AMEDのロボット介護機器開発において、開発者はロボットメーカーか福祉機器メーカーであるが、ロボットメーカーはロボット技術には長けているが介護機器に求められる仕様についての知見が乏しく、逆に福祉機器メーカーは介護機器として外してはいけない要件は分かっているが、それを実現するロボット技術がない場合が多い。本稿では、これら課題と解決法の概要について紹介する。 | ||
16:00~16:30 | 人から見た開発の課題と解決策 | |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 大川 弥生 |
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ロボット介護機器が目的とする効果として最も大事なのは、それを使用する「人」への影響、それも生活機能全般への総合的な効果である。これはロボット介護機器の、最も本質的な点にかかわるものといえよう。本事業は、この『「人」への影響」』への関心・認識の向上を目指し、開発・評価・活用のあり方の体系化を目指している。その中で明らかとなった課題を整理し、具体的対策を示す。 | ||
16:30~16:45 | ロボット移動支援機器普及の課題と解決策 | |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 松本 治 |
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歩行支援ロボットや電動車いすロボットなど、ロボット技術が搭載された屋外移動支援機器の普及に向けた安全上の課題は多種多様である。 本講演では、メーカが開発する安全技術やその検証技術、関連する法規制(道路交通法など)、社会インフラ整備、免許・講習制度など、安全上の 課題を解決するために必要だと思われる解決方法について多面的に議論する。 | ||
16:45~16:55 | 開発企業からみた課題と解決策 | |
ノーリツプレシジョン株式会社 安川 徹 |
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開発における課題は、介護現場のニーズに応えられていないこと、医療・介護に関する専門知識が不足していること、介護現場の業務改善支援(意識改革)ができていないことなど多く存在する。解決策としては、まず第一にメーカー、介護現場、有識者が連携して真に役立つロボット介護機器の開発体制を構築することである。その上で、具体的な対策について事例を通じて説明する。 | ||
16:55~17:05 | ユーザーから見た課題と解決策 | |
公益社団法人 日本介護福祉士会 舟田 伸司 |
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真に役立つロボット介護機器開発』に向けて、介護現場のニーズを踏まえるという事は重要項目である。その際、介護現場の“真”のニーズとは一体何なのか?安易に介護負担が減るという事だけではなく、対象者である要介護者が今の状態よりもより良くなる、介護予防の視点を踏まえ、今後の課題と解決策を紐解いてみる。 | ||
17:05~18:00 | 総合討論 | |
機器の安全から臨床の安全へ ~課題提示と解決策提案ユーザーから見た課題と解決策 |
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国立大学法人名古屋大学大学院 山田 陽滋 | ||
ロボット介護機器の安全技術は,他に則るべき体系的な設計原則が見当たらないことにから,機器の安全を目指す機械安全をベースにした設計原則を導入してきている。本講演テーマでは,この設計原則を分析対象として,臨床視点に適う安全性を目指す上で何が異なり不足しているのかを提示し,どのような設計原則とすべきかについて提案を行う。 | ||
プログラムスーパーバイザーとして | ||
大阪工業大学 本田 幸夫 |